以前、Windows用バックアップソフトとして、「EaseUS Todo Backup Free」を紹介した。
今回は、同じくWindows用のバックアップソフトである「AOMEI Backupper」を紹介したい。
AOMEI Backupperとは?
AOMEI Backupperは、Windows(Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP)に対応したバックアップソフトだ。
システムバックアップやディスクバックアップ、パーティションバクアップ、ファイル・フォルダバックアップ等の機能を備え、これ1つあればバックアップに関して困ることはほとんどないだろう。
個人用としては、無料版と有料版の2種類のソフトが提供されている。
- AOMEI Backupper Standard:無料
- AOMEI Backupper Professional :有料
普通にバックアップするだけなら無料の「Standard」版でも十分対応可能だ。
Standard版とProfessional版の機能比較
AOMEI Backupperの各エディションにおける機能の比較は、以下の公式HPに掲載されている。
https://www.ubackup.com/jp/edition-comparison.html
ただし、非常に視認性が悪いので、Standard版とProfessional版に絞って機能の違いを以下にまとめた。
エディション | Standard | Professional |
---|---|---|
価格 | 無料 | 5,480円 |
1ライセンスで使用できるPCの数 | フリーソフト (無制限) | 1台のPC |
Windows 10、8.1/8、7、 Vista、XP(32/64ビット版)に対応 | 〇 | 〇 |
技術サポート | 平日 | 全年無休 |
システムバックアップ&復元 | 〇 | 〇 |
ディスクバックアップ&復元 | 〇 | 〇 |
パーティションバックアップ&復元 | 〇 | 〇 |
ファイル/フォルダバックアップ&復元 | 〇 | 〇 |
ファイル/フォルダ同期 | 〇 | 〇 |
自動バックアップ | 〇 | 〇 |
フルバックアップ | 〇 | 〇 |
増分バックアップ | 〇 | 〇 |
セクタ単位のバックアップ | 〇 | 〇 |
インテリジェントバックアップ | 〇 | 〇 |
自動ファイル/フォルダ同期 | 〇 | 〇 |
ローカルディスクにバックアップ | 〇 | 〇 |
外付けHDDにバックアップ | 〇 | 〇 |
USBメモリにバックアップ | 〇 | 〇 |
Share/NASにバックアップ | 〇 | 〇 |
クラウドストレージにバックアップ | 〇 | 〇 |
イメージを圧縮 | 〇 | 〇 |
イメージをチェック | 〇 | 〇 |
イメージにコメントを追加 | 〇 | 〇 |
バックアップログを表示 | 〇 | 〇 |
Windows PE& Linuxブータブルメディアを作成 | 〇 | 〇 |
パーティション/ディスククローン | △※1 | 〇 |
電子メール&SMS通知 ※2 | 〇 | 〇 |
システムクローン | × | 〇 |
ユニバーサル復元 | × | 〇 |
コマンド ライン ユーティリティ | × | 〇 |
イメージを合併 | × | 〇 |
差分バックアップ | × | 〇 |
イメージを暗号化 | × | 〇 |
イメージを分割 | × | 〇 |
バックアップスキーム | × | 〇 |
イベントトリガーの バックアップスケジュール | × | 〇 |
ファイル/フォルダのリアルタイム同期 | × | 〇 |
ディスク上のパーティションを編集 | × | 〇 |
ファイルフィルタを設定 | × | 〇 |
ダイナミックシステム/ ボリュームをバックアップ/ 復元、クローン | × | 〇 |
CD/DVDにバックアップ | × | 〇 |
イメージのマウント/アンマウント | × | 〇 |
NTFSアクセス許可を復元 | × | 〇 |
PXE Boot Tool | × | × |
イメージ展開ツール | × | × |
※1 オペレーティングシステム(OS)の入ったディスク(HDD)をクローンする場合、MBRディスクからMBRディスクへのクローンのみをサポート。
※2 Standard版はGmailサーバーとHotmailサーバーのみを、Professional版は、SMS通知、Gmailサーバー、Hotmailサーバー、AOMEIサーバー、カスタムSMTPサーバーをサポート。
AOMEI Backupperを使ってみた感想
UIはシンプルゆえにわかりやすく直感的に操作する事ができる。
ただし、アプリ画面の背景色と文字色の明度差が低いため、文字の視認性が悪いのがいただけない。
バックアップは問題なく行うことが出来たのだが、ブータブルディスク(DVD)の作成時に100%完了にならずにフリーズするバグがあったりするのでその点は非常にマイナスポイント。
早急にこのバグは修正したほうがいいだろう。
また、外付けHDDをPCに接続している場合、しばらくアプリを立ち上げたままにしているとフリーズしてしまう事が何度かあったので、アプリの安定性もまだ改善点があるようだ。
あと、NASからバックアップファイルを復元する際、再起動モード時に再度NASへのパスと認証情報を設定する必要があり、再度復元操作が必要になってしまうため、2度手間になり若干面倒だったのも残念なポイント。
他にも細かな点で、気になる点が見受けられた。是非改善してよりよいバックアップソフトにしてもらいたいところだ。
私が使用中に気になった点のまとめ
- アプリの文字の視認性が悪い
- ブータブルディスク(DVD)の作成でバグがある
- 外付けHDDを接続しているとアプリがフリーズする事があった
- NASからのバックアップファイルの復元が若干面倒
- バックアップ完了までの予測時間が表示されない
- バックアップ処理にかかった合計時間がわからない
- バックアップファイルの復元完了までの予測時間が表示されない
インストールおよびライセンス登録(Professonal)
今回、「AOMEI Backupper Professional」を使用して解説を行う。
インストーラーを起動させると以下の画面が表示されるので、日本語が選択されていることを確認し、「OK」ボタンをクリックする。
以下の画面が表示されるので、「使用許諾に同意します」にチェックが入っていることを確認し、「今すぐインストール」ボタンをクリックする。
下記の画面が表示されたら「今すぐ体験」ボタンをクリックする。
「今すぐ体験ボタン」の下にある「ユーザー体験向上計画」にチェックが入っていると、ソフトウェアの改善に役立てるために使用状況などのデータがメーカーに送られるので、協力したくない方はチェックを外しておこう。
しばらくすると、AOMEI Backupperが起動し、以下の画面が表示される。
プロダクトキーを登録するために「登録」ボタンをクリックする。
「登録」ダイアログ画面が表示されるので、テキストボックスにライセンスコードを入力し、「登録」ボタンをクリックする。
「登録に成功しました。」と表示されたら「はい」ボタンをクリックする。
以上で、ライセンス登録手続きは完了となる。タイトルバー左上のアプリ名が「AOMEI Backupper プロ版」という表示に変わっていることを確認しよう。
AOMEI Backupperを使ってみた
ちょうどWindows 7マシンをWindows10にアップグレードしたいと思っていた。
そこで、今回はこのWindows 7マシンのシステムパーティションをバックアップ、Widnows10にアップグレード、Windows10のシステムパーティションをバックアップ、Windows 7マシンを復元、Windows 10マシンを復元というステップで、AOMEI Backupperが正常に動作するかをチェックしてみたいと思う。
Windows 7のシステムバックアップ
まず、Windows 7のシステムパーティションをバックアップする。
左側のアイコンメニューから「バックアップ」をクリックし、「システムバックアップ」をクリックする。
矢印の下のフォルダーパスが表示されている領域をクリックすると、バックアップファイルの出力先フォルダを選択するダイアログが表示されるので、別ドライブの保存フォルダを指定する。
出力先フォルダが正しく設定されているか確認し、「開始」ボタンをクリックする。
今回、バックアップファイルの保存先としてネットワークドライブを割り当てているNAS上のフォルダを指定したのだが、ユーザー名とパスワードを入力するダイアログが表示された。
この場合、NASにアクセスするためのユーザー名とパスワードを入力し、「はい」ボタンをクリックする。
バックアップ処理が開始されるので完了するまで待つ。
「操作が正常に完了しました」と表示されれば、バックアップは完了だ。
今回、使用量165GBのシステムパーティションのNASへのバックアップに要した時間は、約33分、バックアップファイルサイズは、半分以下の72.2GBだった。
ホーム画面には、今作成したバックアップ「System Backup(1)」が表示されている。
今回、バックアップの設定でタスク名を編集せずに実行したため、このような名前になってしまったが、これだと何のバックアップかよくわからないので、バックアップ開始前の設定画面でタスク名を適切に設定しておくことをお勧めする。
作成したバックアップに対して何らかの操作をしたい場合は、マウスカーソルを操作を行いたいバックアップ名の上に乗せよう。ハンバーガーメニューが表示されるので、それをクリックすると操作メニューが表示される。
バックアップ名の変更などは、「バックアップを編集」から行うことが可能だ。
以下のように、バックアップ名をわかりやすい名前に変えておいた。
ただし、すでにバックアップを完了した後なのでWindows 7を復元した時に「System Backup(1)」という名前に戻ってしまうはずだ。やはりタスク名は適切に設定した上でバックアップを行った方がいいだろう。
ひとまずこれで、Windows 7マシンのシステムパーティションのバックアップは完了だ。
ブータブルディスクの作成
万が一PCが起動できなくなった場合に備えて、ブータブルディスクを作っておく。
ブータブルディスクを作成するには、アプリ右側にある「ツール」をクリックして表示されるメニューから「ブータブルディスクの作成」をクリックする。
ブータブルメディアの種類を「Linux」にするか「Window PE」にするか選択することが可能だ。
今回は、使いやすさで優っている「Windows PE」を使用する。
「Windows PE」にチェックを入れて「次へ」ボタンをクリックする。
Windows PEディスクの作成画面が表示されたら、PEブートモードを選択する。
PEブートモードとして、「レガシーなブータブルディスク」と「UEFIブータブルディスク」のどちらかを選択できる。
PCのマザーボードがUEFIの起動に対応していることがわかっている場合は、「UEFIブータブルディスク」を、わからないなら「レガシーなブータブルディスク」を作成すればいいだろう。
Windows PEディスクを初めて作成する場合は、「インターネットからWinPEの作成環境をダウンロード」にチェックを入れて、「次へ」ボタンをクリックする。
「ターゲットデバイスを選択」画面で、記憶媒体をDVDメディア(CDを含む)にするのかUSBメモリにするのかを選択する。
DVD-R/RW/RAM等の書き込みドライブを保有していない人は、USBブートデバイスを選べばよい(USBメモリは必要)。
今回私は、DVD-Rドライブを使用して700MBのCD-Rメディアに書き込むことにした。
なので、DVDドライブにチェックを入れ、空のCD-RメディアをPCに挿入し「次へ」ボタンをクリックする。
すると、メディアへの書き込み処理が始まる。処理が完了するまで待とう。
ここでトラブル発生。気が付いたら処理が99%で止まったままの状態でアプリケーションがフリーズ、CD-RメディアはPCから排出されていた。
ネットで検索してみると、他の人も同じ現象を報告していた人がいるのでどうやらバグがあるようだ。この状態でもメディアへの書き込み自体は成功しているらしい。
念のため、作成したブータブルCDからAOMEI Backupperが起動するのか確認してみたが、以下の通り無事起動することができた。
そにしても、フリーズするのは印象が悪いので早急にバグを修正してもらいたい所だ。
Windows 10にアップグレード
私のWindows7マシンは、過去にWindows10の無償アップグレード期間中に一度Windows10にアップグレードしたことがある。
なので、今でも無料でWindows10にアップグレードすることが可能だ。
Windows 7をWindows10にアップグレードするには、以下のURLよりツールを入手して実行するだけ。
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
ここでは、詳細な手順は省くが、以下のようにWindows 10Proにアップデートを完了した。
Windows 10のバックアップ
Windows 7の時と同じようにWindows10のシステムバックアップを作成した。
Windows7を復元してみる
一度実行してみてわかったが、NAS(ネットワーク接続HDD)からのバックアップファイルの復元は、再起動モード時にバックアップファイルが見つからずパスの再設定が必要になったりするのであまりお勧めしない。
NASにバックアップしたファイルは、ブータブルディスクから復元するか、復元前にPCに直接接続しているHDDにコピーする等してそこから復元したほうがいい。
Windows 10にアップグレードしたPCから「AOMEI Backupper」の復元機能を使用してWindows 7に戻せるか試してみた。
左側のアイコンメニューから「復元」をクリックし、「タスクの選択」をクリックする。
Windows7のバックアップタスクを選択し、「次へ」ボタンをクリックする。
イメージ情報画面で「このシステムイメージを復元」を選択し、「次へ」ボタンをクリックする・
現在Windows10がインストールされているCドライブパーティションを選択し、「次へ」ボタンをクリックする
本当に操作を実行していいか聞かれるのでので、「はい」ボタンをクリックする。
「開始」ボタンをクリックする。
再起動モードの案内があるので「はい」ボタンをクリックする。
するとPCが再起動してAOMEI Backupperが起動し復元処理が始まるのだが、ここでエラーが発生してしまった。
イメージファイルが見つからないらしい。どうやらNASにアクセスできてないようだ。
とりあえず「Finish」ボタンをクリックしてみる。
以下の画面が表示されるので「Path」ボタンをクリックする。
「Share or NAS device」をダブルクリックする。
「Add share or NAS device」ダイアログが表示されるので、「Share or NAS path」の所にバックアップファイルを保存したNASのフォルダへのパスを入力し、NASへのログイン情報(Username、Password)を入力して「OK」ボタンをクリックする。
すると、設定したNASのフォルダが辿れるようになるので、バックアップファイルをクリックして選択状態にし、「OK」ボタンをクリックする。
選択したバックアップファイルはシステムイメージです。システムリストアしますか?と聞かれているので「Yes」ボタンをクリックする。
バックアップするタイムポイントを選択し、「Next」ボタンをクリックする。
リストア先パーティションを選択し、「Next」ボタンをクリックする。
Cドライブが上書きされるぞ、続けていいか?と聞かれているので「Yes」ボタンをクリックする。
「Operation Summary」画面が表示されるので、「Start Restore」ボタンをクリックする。
復元処理が開始されるので完了するまで待とう。
私の場合、164GB使用のシステムパーティションのNASからの復元に約1時間ほどかかった。
復元処理が完了したら「Finish」ボタンをクリックする。
最後に、AOMEI Backupperの右上の「×」をクリックしてアプリを終了する。
すると、無事問題なく前のWindows 7の状態に復元することができた。
再度Windows10に戻してみる
Windows 7はNASから復元したが、少々面倒だったので、今回はWindows10のバックアップファイルを内蔵HDDの方にコピーしてそこから復元させることにした。
AOMEI Backupper左側アイコンメニューの「復元」から「イメージファイルを選択」をクリックする。
ファイルを開くダイアログが表示されるので、内臓HDDの方にコピーしたWindows10のバックアップファイルを選択し「開く」ボタンをクリック。
あとはWindows7を復元した時と同じ流れで操作すればOK.
再起動モードに移行して、バックアップが始まるので後は完了まで待つだけだ。
放置していると自動的にWindows 10の起動時のロック画面が表示されていた。
NASからのWindows7復元の時とくらべて内臓HDDからのWindows10の復元はスムーズに行うことが出来た。
まとめ
今回、Windows7とWindows10をシステムバックアップして、それぞれ問題なく復元する事が確認できた。
今回紹介した機能は、AOMEI Backupper Standard版でも対応している。
他にも、クローン機能等の便利な機能が多数搭載されているので、Windowsのバックアップ行いたい方は是非一度一度Standard版で試してみるといいだろう。
コメント