iPhone(アイフォン)の旧機種から新機種へのデータ移行(引き継ぎ)はクイックスタート機能を利用するのが便利だ。
今回、いい加減古くなったiPhone8をiPhone 12に乗り換えたので、新しく購入したiPhone12をクイックスタート機能を使って移行を行ってみた。
クイックスタート機能のおかげで、iPhoneのデータ移行はめちゃくちゃ簡単に完了することができた。
当記事では、iPhoneのデータ移行をクイックスタート機能を使って行う方法を解説する。
iPhoneのクイックスタート機能とは?
iPhoneに備わっているクイックスタート機能は、iOS 11から登場したデータ移行機能のことで、新旧のiPhone同士を近づけてBluetooth通信を使い旧端末の設定内容で新しいiPhoneの設定を行うための機能だ。
また、 iOS 12.4でクイックスタートの機能がアップデートされ、写真やアプリのデータ移行もiPhone間で直接転送して移行ができるようになっている。
古いiPhoneでバックアップしたりといった作業が不要になり、旧iPhoneから新iPhoneへの引き継ぎを簡単に行う事が可能だ。
実際の作業は、旧iPhoneを新iPhoneにかざすだけでデータ移行を簡単に行うことができる。
iPhoneを機種変更した時は、クイック スタート機能を利用して移行作業を行うのが最もお勧めだ。
使用しているアプリケーションによっては、iPhoneの移行作業後に個別にアカウント設定等が必要になる場合がある(Line等)ので、クイックスタート完了後に使用しているアプリが正しく移行できているかチェックを行い、必要があればアプリ毎に追加で移行作業を行う必要がある。
LINEアプリデータの引継ぎ方法は以下の記事を参照してほしい。

クイックスタートが利用できるiPhone一覧
iOS11と互換性のあるiPhoneの一覧は以下の通り。
- Iphone 5s
- iphone 6
- iPhone 6 Plus
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone SE
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone X
iOS12も上記のiPhone機種で利用可能だ。
つまり、上記のiPhoneとiPhone X以降に発売された以下のiPhoneにおいてクイックスタート機能を利用することができる。
- iPhoneXS
- iPhoneXS Max
- iPhoneXR
- iPhone11
- iPhone11 Pro
- iPhone11 Pro Max
- iPhoneSE(第2世代)
- iPhone12 mini
- iPhone12
- iPhone12 Pro
- iPhone12 Pro Max
- iPhone13 mini
- iPhone13
- iPhone13 Pro
- iPhone13 Pro Max
- iPhoneSE(第3世代)
※2022年3月27日現在の情報
iPhoneクイックスタートの注意点
iPhoneのクイックスタート機能を利用すれば、非常に簡単にiPhoneの移行作業を行う事ができるが、ストレージの使用容量が多い場合はある程度移行作業に時間を要する可能性がある。
通常は30分程度の作業時間は確保しておこう。
また、途中でiOSのアップデートが入ってしまう場合は、かなり時間がかかるのでその場合は1時間程度は作業時間は確保しておきたい所。
長時間の作業を想定して、新旧iPhone共々バッテリー容量が十分ある状態で作業を行うようにしてほしい。
なお、移行作業を行う前に後述の事前準備で解説している説明をよく読んで準備を済ませてから移行作業を行おう。
事前準備
iPhoneのクイックスタート機能でデータ移行を行う前に以下の点を確認しておこう。
- 新・旧iPhone端末の用意
- iOSバージョンの確認
- ストレージ容量の確認
- 新iPhoneの初期化(必要な場合)
- SIMカードを新iPhoneに差し替えておく(必要な場合)
- 旧iPhoneのBluetooth機能をON
- Wi-Fi環境の用意
新・旧iPhone端末の用意
クイックスタート機能を利用してiPhoneのデータ移行を行うには、新・旧両方のiPhone端末を用意する必要がある。
手元に両方のiPhoneを用意しよう。
iOSバージョンの確認
移行元iPhoneと移行先のiPhoneの利用OSがどちらもiOS 12.4以降であることを確認しておこう。
ちなみに、2022年3月22日現在のiOSバージョンは14.5となっている。
ストレージ容量の確認
移行先のiPhoneのストレージ容量が、移行元のiPhoneのストレージ容量よりも小さい容量の場合、クイックスタートが失敗する場合があるので注意が必要だ。
できれば、新iPhoneのストレージ容量は、旧iPhoneのストレージ容量と同じかそれ以上のストレージ容量であることが望ましい。
旧iPhoneのストレージ使用量が新iPhoneのストレージ容量未満であれば原理的には移行可能なはずだが、iPhoneのストレージを最適化機能などを使用していたりするとうまくいかない場合があるみたいだ。
どうしてもうまくいかない場合は、写真データなどをバックアップ後に削除するなどしてストレージ使用量を減らす必要があるかもしれない。
新iPhoneの初期化(必要な場合)
iPhoneのクイックスタートを利用するには、iPhoneがまだ何も設定されていない初期状態でなければ利用できない。
携帯ショップや家電量販店等でiPhoneを回線契約と同時に契約する場合、ショップ側で初期設定を完了してしまう事がほとんどであろう。
すでに初期設定を終えた新iPhoneが手元にある場合は、iPhoneの初期化を行おう。
iPhoneの初期化を行うには、設定の「一般」から「転送またはiPhoneをリセット」をタップする。

「転送またはiPhoneをリセット」画面の下部にある「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップすると、「このiPhoneを消去」画面が表示されるので「続ける」ボタンをタップする。

続けてもよろしいですか?と表示されるので「iPhoneを消去」をタップする。これでリセット処理が実行されるので完了するまでしばらく待とう。

リセット処理が実行され自動で再起動後、以下のこんにちはというメッセージが表示されたらiPhoneの初期化処理は完了だ。

SIMカードを新iPhoneに差し替えておく(必要な場合)
新iPhoneを端末だけ購入した場合、通常は移行元のiPhoneで使用していたSIMを移行先のiPhoneに差し替えて使用することになるはずだ。
クイックスタート機能を利用する前に新iPhoneにSIMカードを差し替えておくことは別に必須ではないが、あらかじめ差し替えておいた方がいろいろスムーズに移行できるので、可能であれば移行元のiPhoneで利用していたSIMを移行先のiPhoneに事前に差し替えておこう。
ただし、これは移行元iPhoneで使用していたSIMが移行先iPhoneでも使用できる場合に限る。
auの4G SIMの場合、iPhone12等の5G端末ではそのままでは利用できず5Gへの切り替え手続きが必要だったりするので、必要な場合は切り替え手続きを行っておこう。
旧iPhoneのBluetooth機能をON
クイックスタート機能はBluetoothを使用してデータ転送を行うため、移行元と移行先のiPhoneでBluetooth機能がONになっている必要がある。
移行先iPhoneは、初期化をした時点でBluetooth機能はデフォルトでONになっているので、移行元のiPhoneでBluetooth機能がONになっていることを確認しておこう。

Bluetoothがオンになっていない場合は、オン状態にしておこう。
Wi-Fi環境の用意
クイックスタート機能にWi-Fi環境は必須ではないが、Wi-Fi環境出ない場合、非常に時間がかかったり移行に失敗する可能性がある。
iOSアップデートや移行後のアプリ再ダウンロード等で大量のデータ通信が必要になる場合があるため、Wi-Fi環境下で移行作業を行うのがベストだ。
Wi-Fi環境を用意し、移行元のiPhoneでWi-Fi設定を完了しておこう。
iPhoneクイックスタートのやり方・移行手順
クイックスタート機能を利用したiPhoneの移行手順を以下より解説する。
まずは、新しく利用する方のiPhone(初期化された状態)を用意しよう。
「こんにちは」画面を上にスワイプし、言語選択画面で「日本語」をタップする。

「国または地域を選択」画面で「日本」をタップすると「クイックスタート」画面が表示される。

ここで、移行元のiPhoneを移行先のiPhoneに近づけよう。すると、移行元iPhoneの方に「新しいiPhone」を設定画面が表示されるので「続ける」ボタンをタップする。

移行先のiPhoneに円形状のアニメーションが表示されるので、その円形アニメーションが移行元iPhone上の丸い表示枠に収まるようにに移行元iPhoneを手に持ちカメラをかざす。

成功すれば、移行元iPhoneの画面に「新しいiPhoneの設定を完了」と表示され、移行先iPhoneの画面にiPhoneのパスコードの入力画面が表示される。
ここで、移行元iPhoneに設定していたパスコードを入力する。

「iPhoneのアクティベートには数分かかることがあります。」と表示されるので完了するまで待つ。。

次に、移行先iPhoneで「Face ID」の設定画面が表示される。
Face IDは後で設定できるので、ここでは「あとでセットアップ」をタップする。

「旧iPhone名」からデータを転送画面が表示されるので「続ける」ボタンをクリックする。

利用規約画面が表示されるので、右上の「同意する」をタップする。

画面中央に利用規約の確認ダイアログが表示されるので「同意する」をタップする。

「新しいiPhoneに設定を移行」画面が表示されるので「続ける」ボタンをタップする。

「iPhoneを常に最新の状態に」画面が表示されるので「続ける」ボタンをタップする。

「iMessageとFaceTime」画面が表示されるので、これらを利用する方は「続ける」ボタンを、利用しない方は「今はしない」をタップする。

「Siri」の画面が表示されるので、設定したい方は「続ける」をタップして設定しよう。ここでは、「あとで”設定”でセットアップ」をタップした。

移行元iPhoneよりも移行先iPhoneのiOSのバージョンが低いと、ソフトウェアアップデート画面が表示される。
その場合、「ダウンロードしてインストール」をタップする。ソフトウェアアップデートはそこそこ時間がかかるのでバッテリーの状態などには注意してほしい。
ソフトウェアアップデート画面が表示されなかった方は次のステップへ。

ソフトエアアップデートが完了すると、移行先のiPhoneが再起動した後にこんにちは画面が表示されるので、画面を上にスワイプする。

転送を準備中と表示されたのち、「”移行元iPhone名”からデータを転送中」の画面が表示されるので、完了するまでしばらく待つ。

データ転送が完了すると、移行先iPhoneが再起動するのでしばらく待とう。
移行元iPhone側には「転送が完了しました」と表示されるので「続ける」ボタンをタップする。

移行元iPhoneで「このiPhoneを消去」という画面が表示されるので、移行元iPhoneを初期化する場合は「続ける」ボタンを、初期化しない場合は「今はしない」をタップする。
移行元iPhoneはLine等のアプリデータの移行手続きなどでまだ必要になる場合があるので、この段階で初期化することはおすすめしない
移行先iPhoneの方は、再起動後こんにちは画面が表示されるので画面を上にスワイプしよう。

「復元しました」と表示されるので「続ける」ボタンをタップする。

Face IDを設定しなかった場合、ここでまたFace IDの設定画面が表示される。
ここでFace IDを設定する場合は「続ける」、後で設定する場合は「あとでセットアップ」をタップする。
今回は、「あとでセットアップ」を選択した。

ようこそiPhoneへという画面が表示されたら、移行手続きは全て完了だ。上にスワイプして新iPhoneの利用を開始しよう。

この後、Apple IDの確認ダイアログが出てApple IDのパスワード入力を求められたりするので、指示通り設定しておこう。
移行元のiPhoneで使用していたアプリは、順次自動でダウンロード&インストールが行われるのでダウンロードが完了するまでしばらく待とう。
アプリの自動インストールが完了したら、アカウントの移行などが必要なアプリがあれば個別に設定をしておこう。
iPhoneのクイックスタートができない時はここをチェック!
iPhoneのクイックスタート機能を利用して移行作業を行おうとしてもうまくいかないことがあるかもしれない。
そんな時は以下の項目をチェックしてみよう!
- iOSバージョンの確認
- 移行元と移行先のiPhoneが半径1m以内にあることを確認
- Bluetoothが有効になっているか確認
- 移行先iPhoneが初期化されている状態かを確認
- カメラが故障していないかを確認
- Wi-Fiに正しく接続されているかを確認
iOSバージョンの確認
iPhoneのクイックスタート機能を利用するには、移行元と移行先のiPhoneがiOS11以降である必要がある。
また、データ移行まで行うのであれば、iOS12.4以降にしておかないといけない。
iOSが12.4以降になっているかどうかをまず確認しよう。
移行元と移行先のiPhoneの設置距離を確認
クイックスタート機能を利用するには、移行元と移行先のiPhoneを半径1m以内に置いておく必要がある。
移行元と移行先のiPhoneをすぐそばに置いた状態でクイックスタートを行おう。
Bluetoothが有効になっているかを確認
クイックスタートを利用するには、Bluetooth機能をONにしておく必要がある。
Bluetoothが有効になっているかどうかを確認しオフになっている場合はON状態にしよう。
Bluetoothの設定は、上述の事前準備の所を参照してほしい。
移行先iPhoneが初期化されている状態かを確認
iPhoneを店頭で回線契約ありで契約した場合、移行先iPhoneはすでに初期設定を終えた状態にある。
クイックスタートは移行先iPhoneが初期化された状態から始める必要があるため、初期設定が完了している場合は、移行先iPhoneの初期化を行おう。
iPhoneの初期化方法は、上述の事前準備の所を参照してほしい。
カメラが故障していないかを確認
iPhoneのクイックスタートは、移行先iPhoneで表示されたパターンを、移行元iPhoneのカメラで映して認証を行う必要がある。
そのため、移行元のiPhoneのカメラが故障している場合はクイックスタートによる設定を進めることができない。
移行元のiPhoneのカメラが正しく機能しているかどうか確認してみよう。
Wi-Fiに正しく接続されているかを確認
利用しているWi-Fi環境が不安定だと、クイックスタートが失敗する可能性がある。
利用しているWi-Fiとしっかり接続できているかを確認しよう。
Wi-Fi接続が不安定だったり、利用できない環境にある場合は、有線接続で行うという手もある。
以下のアクセサリー等を使用すれば、iPhoneを有線LAN接続することが可能だ。
Belkin ライトニング to RJ45 有線 LANポート + ライトニング変換アダプタ iPhone 12 Pro / 12 / SE / 11 /…
iPhoneのクイックスタートをやり直すには?
iPhoneのクイックスタート機能を利用して移行作業中に、何らかの理由でエラーが発生し失敗してしまう人もいるかもしれない。
その場合、クイックスタートをやり直してみよう。
クイックスタートをやり直すには、準備の所で解説した通りiPhoneを再び初期化したのち上述の手順をやり直せばOKだ。
再び失敗するようであれば、別の方法で移行作業を行う事も検討してみよう。
具体的には、iCloudやiTunes/Finderを使用してデータ移行を行う事ができる。
詳しくは以下のAppleサポートのページを参照してほしい。
https://support.apple.com/ja-jp/HT201269
最後に
iPhoneのデータを新端末に移行する際、iCloudを利用したり、iTunesなどでバックアップを取ってから移行する場合は少し手間がかかる。
一方、iPhoneのクイックスタート機能を利用すれば、実に簡単に旧iPhone端末から新iPhone端末にデータ移行することができて非常に便利だ。
この機能を使わない手はない。
機種変更を行った際は、是非クイックスタート機能を利用してiPhone環境のデータ移行・引継ぎを行おう。
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